セーラー服の一生

杏南15さいの人生

野ばら少女

イチゴ味の朝、ミルク色の空…


私が人生で一番衝撃を受けた映画『下妻物語

この映画を見る前にどんなものを素敵と思って、どんな服を選んでいたのか。なんにも思い出せないくらい、下妻物語は私の価値観を数時間にして構築していった。

朝起きたら Super shomin car を爆音で流しながらミックスジュースを飲む。髪を三つ編みにする。

授業中はひたすら「かわいい」について考察して造詣を深める。

ホットミルクを飲んでからベッドに入って A Place for me and you を聴きながら眠る。

そういう日常が、全部下妻物語をきっかけに始まった。私の「かわいい」は、SNOWで顔を動物にしたりすることではなくて、日常の空気感を楽しむことで満たされていっている。
私の他にもきっと、映画をきっかけに世界が変わったひと、多いのではないだろうか。

また、例のその映画は私に、嶽本野ばらに傾倒するきっかけを与えてくれたものでもあった。
元から私の周りには、嶽本野ばらを病的に崇拝している人がちらほらいたのだが、多少ではあるが、まさか自分も彼女らと分かり合えるようになるとは思ってはいなかった…
学校では、最近は「それいぬ-正しい乙女になるために-」をよんでいる。
「それいぬ」には、野ばら氏の想う理想の少女像や、女学生の処女性についての多くの記述がある。
「冬に野暮ったい大柄のコートに身を包んだ女学生にこそ色気がある」という意見には、私も心から賛同したものだ。
長いスカートの下に隠された脚にこそ、女子の神秘がある。私はそう思っているから、自身のスカート丈を極端に短くしようと思ったことはない。

私には私の美学があるから、「それいぬ」のなかで野ばら氏に一切賛同できない局面もある。それもあって、崇拝している、というわけでは決してないのだが、嶽本野ばら氏、好きです。青く澄んだ空気の中に住んでいそうだ

しばらくしたら、私の想う理想の女子高生像について書こうと思う。自分がまるっきりそうであるわけではないけど、いくつか思うところがあるから